還暦を過ぎた私の母は、いわゆるフルタイムで現在も働いている。
働かざるを得なくて働いているのではなく、働きたくて働いている。
コロナ禍においても出勤しなければならない職場環境のため毎朝電車通勤をして、都内の高いビルのそこそこの高層フロアで毎日働いているらしい。家でのんびり働いている私とは対象的だ。
そんな母が仕事を辞めると言ったら?
まずは体調が悪いのではないかと心配するだろう。職場で嫌なことがあったのだろうか?とも心配するかもしれない。そして、辞めてしまったら元気がなくなってしまうのではないか?とも思ってしまう気がする。
元気に働いている今は、もっとのんびり暮らしてもいいのではないかとたまに思ったりもするから勝手な話だ。
母は新卒入社の数年後に父と結婚するタイミングで退職し、私が小学校の半ばになるまでは専業主婦をしていた。そこからパートで働きだし、私や妹が成長するに従って労働時間を増やし、私が高校生くらいからはもうずっとフルタイムで働いている。
フルタイムで働きながらも、父が仕事を引退するまでは家事もほぼすべて母がこなしていたことは、本当に尊敬している。
専業主婦とワーキングマザー、どちらも経験した母が「働けるまで外で働いていたい」と常々言っているので、私の母は働いている暮らしの方が合っていたのだろう。
だから、母が思い残すことなく楽しく働いていられるように応援したいと思っている。
そしていつか、働けなくなる前に、もう働かなくてもいいと思って働くことを辞められる時がきてほしいなぁと思う。
働きたいのに、働けない。それはやっぱり辛いから、もうお腹いっぱい!と感じて辞める時が来てほしい。
家族のために時間を犠牲にしてきた分、これからは誰かに気を使うことなく、働くも遊ぶも母の好きなように生きてほしい。それをサポートできる娘でいたいと決意する、2022年の母の日である。