日々生活していると、いろいろなお店で接客を受ける機会がありますよね。感じがいいなぁと思う方に接客していただくと、買ったものが値段以上の価値に感じられたりします。逆パターンの場合、もうそのお店を利用したくなくなることも。以前、少しの間通った整骨院が完全に後者だったんです。
その接骨院は、Googleマップ上の口コミ件数がすごく多く、かなりの高評価。引っ越したばかりで行くべき場所が良くわからなかったのですが、寝違えて首が回らなくなっていたのでとりあえず悪くはなさそう、と判断してその整骨院を予約しました。
結果から言うと、「まんまと騙された!」という感想しかありません。
私には合わないと思うことが複数あるのですが、とにかく気に入らなかったのは、すぐに大きな声で患者の名前を呼ぶことです。
個人情報保護や防犯などの目的で、様々な場所で個人の特定ができる対応を避けるようになっている今日このごろ。病院の待合でも、受付番号で呼ばれることも当たり前になったと思います。(どこかの政治家がそれにキレたというニュースもありましたが、、、)
そんな風潮に逆行するように、その整骨院ではとにかく名前(苗字)を呼ばれます。呼ばれるどころか叫ばれます。受付に診察券を出せば、受付の方が「鈴木さん、こんにちは〜!」と叫ぶ。それに呼応して施術中の整体師さんも「鈴木さん、こんにちは〜!」と連呼。それが帰るまで続きます。
「鈴木さん、おまたせしました〜!」「鈴木さん、おまたせしました〜!」
「鈴木さん、よろしくおねがいします〜!」「鈴木さん、よろしくおねがいします〜!」
「鈴木さん、ありがとうございました〜!」「鈴木さん、ありがとうございました〜!」
居酒屋かよ!!
確かに、消費者心理として「店員さんに名前を覚えてもらっている」ことに付加価値を感じ、お店のロイヤリティが上がるということはあるかもしれません。でもその整骨院はわかりやすく患者が出した診察券の名前を確認してわざわざ叫んでいるし、明らかに決まりでやっているとしか感じない。心もこもっていないし、まず笑顔が張り付いたスタッフの方が正直怖かった。
その他いろいろなやり方もすべてはマーケティング『施策』としか思えず、とても不快になりました。
しばらくは様子を見て通ってみましたが、施術も私には合わなかったので通うのをやめました。たとえ施術が良かったとしても、気分が悪いので通うのはやめていたと思います。
きっと待合でたくさん見かけたご年配の方は、若くて元気な整体師さんが自分の名前を覚えてくれている!と嬉しくなって通い続けていたのかもしれません。そもそも不快に感じてしまった私は、そのお店のターゲットではないのでしょう。
自分がターゲットではなかったということを自覚して、もはや関係ないとは思いつつも、この名前を叫ぶということ以外にもおそらくプロのマーケ屋が入って企画しているだろう『施策』に溢れたこの整体院を、私は誠実とはどうしても思えないのです。